こんな素敵なペンションに泊めてもらえるなんて!!
絶対に一生に一回しかないよ~もう超うれしい!!
「なんでも好きなだけ食べてね!」
その子はにっこり笑って云った。
最初は遠慮してたんだけど、結構食べちゃいました。
それは他の2人も同じだったみたい。
なんだかすっごいお腹空いてたのよね、
何でだろう?
いっぱい食べたらお腹いっぱいになっちゃって、寝室に行ったらまたびっくり!
何このお姫様みたいなベット!!
天井から何かかかってる!すごい!!
「このペンションのオーナーの趣味だから気にしないで使ってね」
その子はやっぱりにっこり笑って云った。
何でか名前が思い出せない、誰だったんだろう。
でも、寝心地はちょーっと悪かったかな?
飾りに趣向を凝らしすぎだよ!
もうすこしウォーターベッドみたいなの期待してたのに!
って、そんなに望んじゃ駄目ですね、ごめんなさい。
いや、他が完璧すぎるからアラが目立っちゃうんだよね~。
そんな感じでずっとそのペンションに泊まってたの。
夢みたいだよね!
…って、マジで夢だったみたい。
私達、遭難してたんだって。
ある日起きたら病院で、ホント焦った。
なんか「ぇ?なんでベットがこんな無機質なの?」って寝ぼけて云っちゃって。
めっちゃ心配してた家族から白い目でみられてしまった…。
4人で山登りしてたんだけど、1人どうしても名前が思い出せないんだよね。
行方不明?あの子は!?って3人で騒いだの。
でも、おかしなことに、その子の名前も、顔も、思い出せない。
しかも「あんた達いっつも3人で仲良しだったじゃない」って云われて。
えーっ、ウチに呼んだこともあるでしょお母さん!!
ペンションに誘ってくれたあの女の子。
誰だったのかな。
学校の名簿にも、携帯のアドレスにも、居たはずなのに、居ないんだ。